コラム

第8回
クレーム対応のプロセスがもたらす効果

この図は、前回も説明しました、職員が職場にロイヤリティを持って働くことができる要素を書いています。これら3点が実現できて初めて、職員がイキイキと働く職場ができます。

では、クレーム対応のプロセスに当てはめて考えていきましょう。

①自分たちが抱いていた問題が可視化され、職員同士で共有することにより、職員は病院小運営に携わるパートナーとしての意識を持つようになる。(公平感)
②可視化された共通の問題を、職種を超えて検討し、解決する過程で「関係部署間の職員同士良きチームワーク」が生まれる。(連帯感)
③自分たちで、課題を解決するために計画を立案し、実行することにより、「仕事へのやりがい」を感じることができる。(達成感)
④患者からは「良くなった」と感謝され、承認されれば、患者のためになっていることを誇りに思える組織になる。(達成感)
⑤患者からの承認を感じることにより、安心して継続的に働くこのできる組織であると実感できる。(公平感)

もちろん、職員満足度をアップさせるための施策はこれだけではありません。しかし患者からのクレームに対して真摯に向き合うことが、非常の大きな効果を持つことがわかっていただけたでしょうか?効果はそれだけではありません。
「クレーム」対応をトップが、もぐらたたきではなく、重要項目として行うということは(決して院長が矢面に立つのではありません)病院として患者の思いを実現しようとする姿勢を職員に強烈に示すということです。その結果、職員は「自分が勤めている病院は、本当の意味で患者目線になるとしている」ということを実感するようになります。その結果、職員、特に看護師のモチベーションは間違いなく上がります。現実に私たちと一緒に病院改革に取り組んでいる病院では、退職者や、内定辞退者を少なくすることにより、紹介手数料削減目標を掲げて、実際に検証する取り組みや、コミュニケーション齟齬による事故減少を目指し、保険料金や賠償額が減少してきた病院もあります。その結果職員だけでなく、利益をアップし、そして患者満足度も向上していきます。