コラム

第4回
顧客とは?

顧客満足度経営、顧客満足度調査と今まで私は顧客という言葉を何度も使いました。さて、病院にとって顧客は誰かを少し考えていきましょう。
いまさら何言っているの。顧客は患者と家族に決まっているでしょ。という声が聞こえてきそうです。
患者、家族と顧客はイコールなんでしょうか?ピーター・ドラッカー氏によれば、顧客には3種類あると言っています。そして顧客の要件は「あなたの仕事にNOと言える人」だとします。
つまりあなたがした仕事に「不満だ、改善してほしい」と言える人すべてなのです。その上で教授は顧客には、直接顧客、間接顧客(サポート客)、まだ見ぬ顧客の3種類あると言っています。
そしてその定義は、あなたの仕事に「NO」と言える人と言っています。つまり、あなたの仕事が気に入らなければ、サービスを受け入れることを拒否できる人たちです。

①直接顧客について考えてみます。
直接顧客には、当然「患者」や「その家族」が浮かんできたと思います。彼らは受診し、その対価を支払う直接顧客です。
あなたの病院の患者さんはどんな人たちが多いですか?その人たちは、何を求めてあなたの病院にやってきますか?

②間接顧客について考えましょう。
間接顧客は、あなたの仕事をサポートしてくれる人たちです。言い方を変えれば、協力してくれる人たちです。さてどのような人たちがいるでしょうか?
実は、ここに最大の顧客が潜んでいるのです。ちょっと考えてください。
まず、患者を連れてきてくれる人です。あなたの病院には、どのようなルートで来る患者が多いでしょうか?救急車?急性期病院からの紹介?退院後受け入れてくれる病院や施設?色々な人が、患者を連れてきてくれます。
次に浮かぶ顧客は、患者を治療する仲間たちです。つまり、院内顧客です。当たり前の事ですが、医師だけでは治療は成り立ちません。看護師、技師、事務という職種の人たちが必要なのです。この人たちは、単なる職員ではなく「職員と呼ばれている顧客」なのです。担当医師はもちろん、先輩、同僚、後輩を含む職員なのです。もっと広げて考えてください。「困った時に相談に乗ってくれる人」もそうです。ここで気づいたことはありませんか?
「サポートしてくれる顧客」つまり「間接顧客」は人によって、ポジションによってそれぞれ違うのです。つまり、直接顧客と同様「顧客」である限り、あなたに望んでいることはあるのです。そのことを考え話し合わなければ、チームワークや、共同作業は成り立たないのです。

③まだ見ぬ顧客
今まで、多くの医療機関では、患者は来るものとして考えて、集患についての意識は他の業種と比較して少ないのではないかと思います。新しい患者を呼ばなければ病院の経営は継続しません。事業を継続させていくのが経営者の大きな仕事の一つです。
たとえば、以下のような人が考えられます。
①近所に住んでいるのに、同じ診療科のある他の病院に行っている人。
②患者を紹介してくれない急性期病院。
③患者を受け入れてくれない療養型病院
④他の近所の病院に就職する看護師や職員
等々、なぜうちの病院に来てくれないのかを考えなければなりません。

ではあなたの病院の顧客について考えてみてください。
そして下の表にご記入ください。

顧客の種類 顧客が望んでいる事
直接顧客
間接顧客
まだ見ぬ顧客