コラム

第9回
コロナ禍での『患者満足度調査』

先月のコラムを読んで「そうはいってもこの環境下調査なんてできないよ」
「非接触型でスマホを利用したものはできないだろうか?」というご質問や
ある方からは「毎日調査はどうだろうか?」というご提案も受けました。
いろいろな新しい方法を検討するのには非常にいい時期と思います。
さて、どうしようかと考えているときに、サービス業のコンサルタントをしている友人からこんなことを言われました。
「顧客満足度調は来ている客に気持ちを聴くのでどうしても実態より良い結果が出る。
本当は来ない人をしたいのだがそれでは膨大な費用が掛かる」
どうすれば、本当の結果が出るのだろうか?と議論しました。
そこで出てきた仮説は以下のようなものでした。
職員の中で最も顧客と近い人たちは自分たちの職場環境をどのように感じているのだろうか?
日常顧客と接していてどのように感じているのだろうか?
その人たちが感じる感覚こそが顧客に一番近いのではないだろうか?
確かに、最前線で働いている人は顧客と接するのが主な仕事です。
人は誰でも快適に安心してそして安定的に働きたいと考えています。
ほとんどの人は退職することを前提に働いてはいません。
しかし、退職率が他の職種よりも高いのも事実です。
病院や介護施設でいえば「看護補助職」「入職3年未満の看護師」
介護施設では「入職3年未満の介護士」がこの層にあたるのではないでしょうか?
退職の理由は人それぞれだと思います。
しかし、この層の人たちが安心して満足して働くことができる職場はどのような職場でしょうか?
患者、利用者との関係はもちろん
上司や一緒に働き人との関係、職場の環境を想像してみてください。
より具体的に看護補助職や介護職、入職歴3年未満の人たちの業務環境や仕事のやり方を思い浮かべて下さい。
この層の人たちがいきいきと働かなければ、患者、利用者も安心して治療や介護が受けることができないのではないでしょうか?
もし、「コロナ禍で満足度調査ができない」「非接触型でないと満足度調査ができない」と考えられているとすると
一度職員の中で、患者、利用者と最も接している人、入職年数3年未満の人に、職員調査をされてはどうですか?
患者満足度調査よりも、より病院の実態を表した結果が出てくるかもしれません。
次回は、看護補助職の方に行った調査報告ができると思います。