第8回
『患者満足度調査』は何段階評価がよいか
まずこの図を見てください。
これはサービス業の顧客満足度調査の結果と再来店の相関関係です。
満足度調査で1の場合1や2の場合当然再来店はありません。
普通の3の場合でも結果は同じです。
4の「やや満足」でもリピート来店の研修は少なく、5になって初めて再来店回数の可能性が増加するのです。つまり4では「満足していない」のです。
私たちの日常の中で初めてのレストランに行ったときは「普通だった」はほとんど行くことがありませんし「まあまあ良かったね」という評価であれば何かあれば再訪問しますが
ほとんどその可能性は少ないでしょう。
「とてもよかった」と思って初めて再訪問の可能性が急速に増加します。
患者の場合はどうでしょうか?
再来患者の中には否応なく来院している人もいます。
不満足であっても、ある程度現状に我慢氏ら来院しています。そのことが長く続けば、期待も低くなり「まあこんなもんだ」と現状を受け入れざるを得なくなっているのが現状ではないでしょうか?
その結果5段階評価の場合4につける人が多くなると思われます。
その結果として、4と5を合わせて70%であり多くの人が満足しているというコメントを残している病院もあります。
そもそも病院で行っている満足度調査は定点観測のことが多く、その瞬間につけられる場合が多いです。患者の気分も状況も違います。
対応する職員の体調も違いがあります。
月曜日の午前中と水曜日の午後では全く違った気持ちで対応するかもしれません。満足度とはその時の気持ちに大きく左右されます。
私がお勧めしている満足度調査の回答は、「はい」か「いいえ」の2択です。その時の気持ちをお書きくださいというメッセージを添えています。
患者からも「普通」を入れてほしいという声があるのですが、その病院にシンパシティを持っている人はおそらく「はい」と回答し、そうでない人は「いいえ」と回答するでしょう。
そして合格点を80%に設定しています。最後に2問の質問を加えます。
① 総合的に見て何点だったでしょうか?
② 本院を知り合いにご紹介いただけますか?
この2つの質問と他の質問の相関関係を取り、総合評価をする方法をお勧めしています。