コラム

第10回
看護補助職へのクレームに対する意識調査

10月に看護補助職の方を対象にクレームについての意識調査を実施いたしました
対象は都内近郊の医療機関で看護補助職として勤務する35名(女性86%男性14%)、医療機関数は15でした。
患者満足度調査グラフ
クレームを受けたことのある人は全体の約90%となり、ほぼ全員の人が何らかの形でクレームを受けていることがわかります。
クレーム内容グラフ クレームの内容はほとんど自分たち自身が問題ではなく他の職員あるいは病院のルールが原因で発生しています。
内容も日常恒常的に発生しているものも多く、看護補助職で対応できるものではありません。
クレーム対応方法グラフ
その時に上司に相談したが60%を占めていますが、
「こちらに非がないことを認めてもらおうとした」や「ひたすら謝罪した」という回答も多く
現場で苦労している姿が浮かんできます。
そして対応後は以下のような気持ちになっています。
クレーム後のグラフ
ひどく落ち込み、やめたくなった、そして自尊心を傷つけられたと感じていることがわかります。
このようなことが継続していけばどのようになるのでしょうか?
今回のアンケート結果を見てどのように感じたでしょうか?
医師を頂点とする病院のヒエアルキーの下の層とみられてきた人たちの実態です。
①退職に結び付く
最もわかりやすい例です。
このようなクレームを言われ続けると落ち込み、自尊心が傷つけられ、ただでさえ不足している人材の退職につながる可能性が高いです。
②感情を殺して業務を継続する
退職しないとしても、クレームに慣れてしまい?自分の感情を出さずに淡々と業務を続けてしまう人たちです。
そのような感情を抑えた人たちが先輩になり、上司になった場合どのようなことは組織の起こるのでしょうか?
このことは看護補助職に限らず一線で働いている看護師にも当てはまることです。
このようなスタッフが増加する病院は、院長がどんなに旗を振ってもついてきません。
現場に近い人は、どの職種でも顧客からの不平、不満、クレームを直接行ける機会が多いです。
しかし、それを担当する人たちは経営者層ではなく、
アルバイトやパート職員といったスタッフが多くいます。
そして業務を遂行するための知識と研修を入職時にしますが、
それ以降は体系的な研修はほとんどなされていないのが現状です。
実際看護補助職10数年の経験した方は、「off-jt」研修を受けたのは入職以来初めて」と言われて、嬉々として研修を受講されていました。
改めて看護補助職スタッフの戦力化のための体系的な研修の必要性かを感じました。