コラム

第11回
新しい患者満足調査の考え方

この原稿を書いているときは
まさにコロナ感染拡大第3波
毎日のように感染者数が更新されており
全国で2531人(11月27日)うち東京では過去最高の570人の感染が報告されています。
そんな中で「患者満足度調査」なんて悠長なことやってられないよ。
と思われている方もいらっしゃると思います。
これからの時代「組織対個人」ではなく「個人対個人」
への流れになっていくのではないでしょうか?
「あの人がいうことだから安心だ」「あの人は信用できる」
という個人同士の信頼が基礎となり
組織が形成されて成長するという循環が
医療という業界にも求められてきているのではないかと感じています。
今までこの力に依存してきた医療機関
特に医師を頂点とするヒエラルキーの崩壊が
始まっておりCOVID-19感染拡大という外圧が
その動きを助長していくのではないかと考えます。
だからこそ職員個人が自分の役割を十分に達成すると同時に
患者との信頼関係を十分に構築していかなければならないのです。
でなければ病院という組織は生きていくことが困難な時代に入っています。
生き抜いていくための第一歩としてこの時期だからこそ
患者が自分の病院に対して何を考えているか?
何を期待しているかを知らなければならないと考えます。
特にかかりつけ医を目指すクリニックや病院、定期的に患者が来院するリハビリ病院です。
ある意味今の患者数が患者の評価なのです。
今来院している患者を満足させることが、戻らない患者を呼び戻す手段であると考えます。
だからこそ今患者満足度調査を行う絶好のチャンスなのです。
もし、今あなたの病院で患者満足度調査をしているとすると
その調査項目を以下のことに留意して見直してください
① 顧客が誰であるかを考えているか?
② 顧客の動きと調査項目が一致しているか?
③ 顧客が接した職員に対するそれぞれの気持ち(期待を裏切っていないか?)
がわかるようになっているか?
私はあえて顧客という言葉を使っています。
患者は顧客であることは間違いないですが、顧客は患者だけではありません。
患者を連れてくる人すべて顧客なのです。
いまだ患者が戻ってこないという病院は
従来の集患の方法とは別の手段を考えなければなりません。
戻ってこない顧客がなぜ戻ってこないかを知ることもまた重要な調査です。
自分たちを取り巻く人たちが自分たち及び病院に対して
どのように感じているかを知ることこそが重要だと考えます。