コラム

第8回
まとめ

今までクレームの性格について考えてきました。まとめてみましょう。
①クレームは、期待が裏切られた時に生まれるものである。その期待は感じる人によって違う。
②クレームは、不安、不満が蓄積し、表面化した事象であること。単に言って終わる不平の場合もあるが、何らかの賠償を要求する場合もある。
③クレーム発生の時期は、人によって違う。表面化しない場合が多い。一般のサービス業では表面化するのはたった4%と言われている。
④クレームはその本人にではなく他の人に言われることが多い。他人のクレームを受けるのは当たり前である。
⑤クレームの半分近くは、制度上のこと、すぐに改善できないこと、思い込みや誤解によるものである。

そして、多くの職員が受ける一次クレーム対応は、言われる職員にとっては突然言われるものです。対象になる可能性はすべての職員にあります。
こじれて解決した場合と一次クレーム対応で納得した場合では、患者満足度は明らかに一次対応で納得した場合の方が高くなります。二次対応以降の解決は、患者の利益と病院の利益が一致しない場合が多く、解決できたとしても患者の気持ちに何らかのしこりが残る可能性があるからです。
そして厄介なことに一次対応は、心の準部をしていない職員がしなければなりません。ここに難しさがあります。その点二次対応は、事前に心の準備だけではなく、相手の言う事も把握できています。じっくりと話を聴き、相談しながらできるので、心にゆとりがあります。しかし、一次対応はそうはいきません。

一次対応こそ「究極の接遇対応」」と言っても私は良いと思います。

では次回から、「究極の接遇対応」一次クレーム対応について考えていきます。
クレーム対応の方程式を説明します。