第10回
クレーム対応の方程式
さて、組織つくりの大切さがわかっていただけたと思います。しかし、直接クレームを受けるのは職員の方です。その時の対応が最も難しく、またうまくいけば効果があります。ただ、方法がわからないという理由で、落ち着いて聞けないです。
私たちは、クレーム対応を通じて、一つの法則があるのではないかと考え、その方法を実践してみました。エビデンスがあるわけではありませんが、方程式に沿って対応するとうまくいったという声をたくさんいただきました。その方程式をお伝えします。
対応 | 注意点 | |
---|---|---|
第1 | 話があるのですが」と言われたら、必ず立ち上がって相手と目線を合わせる。 | 絶対座ったまま相手を見上げない |
第2 | どのようなご用件ですか?と聞いて自分の部署と名前を名乗る | 自分がその瞬間から院長代理になったつもりで対応する |
第3 | 相手の話を聴いて、相手が怒っている気持ち、不満に思っていることに対して、謝罪を行う。(相手の不満な気持ち、悔しい気持ちに共感する) 「そのようなことがありましたか?大変申し訳ございません」と深くお辞儀をする。 |
「本当ですか?」「規則ですから」というと相手の気持ちはますます昂るので、今からあなたの話をききますよということを伝える。 |
第4 | 相手の話をさえぎらずに訊く。いわゆる傾聴する事(3~5分くらい) | 相手の言うことが間違っていると感じても、議論や言い訳をしない。 |
第5 | 相手の言うことを要約して、自分が間違いなく理解していたかどうかを確認する。 | この段階でも、自分の考えを言わずに、相手の言っていることを理解したことを伝える |
第6 | 自分の考えを言う。 解決できる事は解決策の提案、できないことは、「私もよくお気持ちわかります。しかし・・・」とはっきり伝える。 |
相手の主張が通らない時も、相手の気持ちに共感する。申し訳ないですが・・というクッション言葉を使う。 |
第7 | 自分では解決できないことわからないことは、はっきりとその旨を伝え、しかるべき部署を紹介するか、自分が今回の事を担当部部署に伝えるかを提案し了解を得る。そして最後に「ありがとうございました」と必ずお礼を言う。 | この段階で、同じ主張を繰り返したり、大声を上げたりした場合はしかるべき担当に連絡する。 |
この方式に従って問答マニュアルを考えてください。次回一例をお出しします。
問題
「おい、病棟の看護師の対応が悪い。お宅の看護師の教育どうなっているのだ!」と、入院されているAさんのご家族が、ナースステーションにやってきて言われました。さてどうしますか?続きを考えてください。
言葉 | 対応 | |
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Aさんの家族 | おい、病棟の看護師の対応が悪い。お宅の看護師の教育どうなっているのだ! | 立ち上がる |
あなた |