「医療・介護現場における暴力・ハラスメントについて~スタッフが安心・安全に働くために~」
(オンデマンド配信)
研修動画は一般公開しておりません。転送及び一般の方への配布は、一切禁止しております。
受講修了後は、必ず受講アンケートに回答くださいますようお願いいたします。
※研修テキストの配布はございません。予め、ご了承ください。
講師:松多 岳史(まつだ たけし) 氏
浅ノ川総合病院 入退院支援センター長 兼 医療福祉相談室長
講師:濱川 博招(はまかわ ひろあき)氏
株式会社ウィ・キャン 代表取締役
アンケートの回答をお願いします。
【こちらから】
先日の研修にて、松多先生の講義内容に関してご質問をいただきました。
以下にその内容について回答いたします。
質問:
松多先生の講義で、認知症やせん妄のある方から暴力や暴言を受けた場合、それはカスタマーハラスメント(カスハラ)に該当しないとのお話を伺いました。しかし、過去の研修では、そのような行為もカスハラに含まれると教わっており、対応方法に迷っています。
回答者:濱川 博招 氏
まず、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の目的は、何よりも被害者の保護です。認知症の方やせん妄のある方からの暴力・暴言による被害であっても、健常者からの行為による被害であっても、被害者にとっては同じく深刻な問題です。
認知症やせん妄のある方から暴力行為を受けた場合は、以下の2段階で対応を検討してください。
1. 一次対応
暴力行為を受けた際には、まず「離れる」「逃げる」といった避難行為を行うことが重要です。認知症の方だからといって無理に我慢する必要はありません。その意味では通常のハラスメント対応と同じように考えてください。
2. 事後対応
避難後、当該患者に対する対応については、医師や看護師を含む組織全体で慎重に話し合う必要があります。健常者の場合も同様に対応を検討する必要がありますが、認知症やせん妄のある方の場合は特に慎重な対応が求められます。この点が通常のハラスメント対応とは異なる部分であると言えます。
松多先生の講義で「認知症やせん妄のある方からの行為はカスハラに該当しない」と述べた理由は、事後対応において慎重な検討が必要なためだと理解しています。
したがって、一次対応については通常のハラスメント対応と同様の対策を行い、その後の対応において適切な検討を進めてください。