お悩み解決事例

CASE03

スタッフのモチベーションが低下している

患者満足から職員満足へ

サービス業では一般に、従業員の満足が高まれば サービスが充実して顧客の満足が高まる。 その結果、利益が上がってさらに従業員が満足し……という循環があります。
病院も同じ。
病院が患者さんの満足度に着目し、これを上げる努力をすれば医療事故やトラブルが減り、その分の労力や経済的なロスが予防できる結果、収入面などの待遇が向上します。
するとスタッフは職場に定着するようになって生産性が上がり、ますますサービスの質が高まって患者さんを満足させます。そのくり返しによって、口コミで患者さんが増えて再診率も上がり、経営が順調で評判もいい病院ができあがるわけです。
実は、患者満足度を高めるための最大の施策は、職員満足度を向上させることなのです。

まずは、患者満足度調査と同時に、職員満足度調査から始める、職員の意識改革に着手しましょう。
病院の人事担当者などと話していると、スタッフ間のコミュニケーション不足や高い離職率について「彼らはプロフェッショナル(職人気質)だから…」と、半ばあきらめ気味に説明されることがあります。しかしそこで判断停止したら、病院は変わりようがありません。
確かに医師、看護師や薬剤師、検査技師など病院で働く人たちは専門の教育を受け、それぞれの職業理念を有するプロフェッショナルが多く、そのことが 病院独特の文化を生みだしています。しかし彼らの専門性を尊重しつつも、サ ービス機関としての病院を従業員側の改革でブラッシュアップする方法が、ないわけではありません。最適な医療を施すテクニカルなサービスと同時に、積極的にノンテクニカルなサービスで患者さんに喜んでもらうのです。顧客に最高のサービスを提供することが従業員自身の喜びになる、そんな環境を目指すのです。

組織の方向性を個人的にも共感・支持できる、組織の理念が自分の理念と重なる状態が、従業員にとって満足度の高い職場環境となります。
クレーム対応を含めた「接遇・対応研修」、組織を強くするための「リーダーシップ研修」「コミュニケーション研修」など、全職員への研修を行うことで、自院の理念とミッションについての姿勢をすり合わせます。
そうして、課題に対し全職員で答えを見つけるサイクルを回していくことで、「私たちは患者さんのために、病院全体に責任を持つ」という感覚がスタッフ全員のなかに生まれてくるわけです。  
そうなれば、職員たちは自分たちの職場に自信を持ち、愛し、患者さんに余裕を持って尽くすことができるようになるのです。

さて、私たちがサポートしたある病院の例では、導入した当初は課題解決のための会議になんやかんやと遅刻ばかりしていた医師が、数力月後にはカンファレンスや手術を予定どおりに終わらせ、定時に会議室で待機してくれるようになりました。その小さな変化が病院社会にとって大きな前進であったことは、医療関係者の方ならご想像いただけると思います。